葬儀に参列できない場合、故人への弔意を表す手段として最も一般的なのが香典を送ることや弔電を打つことですが、これらには厳格なマナーや手順が存在し、間違った対応をするとかえって遺族に迷惑をかけてしまうことになりかねません。まず香典についてですが、基本的には現金書留で送るのがルールであり、普通の封筒に現金を入れて送ることは法律で禁止されているだけでなく、届かないリスクもあるため絶対に避けるべきです。現金書留の専用封筒には、通常の香典袋(不祝儀袋)に入れた現金をそのまま入れることができますが、封筒のサイズによっては入らないこともあるため、その場合は小ぶりの不祝儀袋を用意するか、奉書紙に包んで入れるなどの工夫が必要です。香典袋の表書きは、宗教や宗派によって異なりますが、不明な場合は「御霊前」としておくのが無難であり、中袋には住所、氏名、金額をはっきりと記入することを忘れてはいけません。また、香典を郵送する際には、単に現金を送るだけでなく、お悔やみの手紙を同封するのが礼儀であり、そこには参列できないお詫びと故人への想いを簡潔に綴ります。一方、弔電はお通夜や告別式の際に読み上げられるメッセージであり、NTTの115番やインターネットの電報サービスを利用して手配します。弔電を送るタイミングは、通夜の前日または当日の午前中までには届くように手配するのが鉄則であり、宛名は喪主の名前にしますが、喪主の名前が分からない場合は「故○○様 ご遺族様」としても届きます。文面については、定型文を利用することもできますが、故人とのエピソードを一言添えるだけで、より心のこもったメッセージとなり、遺族の心に響くものになります。ただし、忌み言葉(「重ね重ね」「たびたび」など)や生死を直接的に表現する言葉は避けるべきであり、宗教に合わせた表現(仏式なら「ご冥福をお祈りします」、神式やキリスト教式なら「安らかなお眠りをお祈りします」など)を選ぶ配慮も必要です。参列できないからこそ、こうした形式的なマナーを完璧にこなすことで、非礼を詫びるとともに深い哀悼の意を伝えることができるのです。