葬儀でメモリアルムービーの上映をしたいと考えた時、そのために必要なプロジェクターやスクリーンは、どのように手配し、費用はどのくらいかかるのでしょうか。その依頼方法と費用相場を事前に知っておくことは、葬儀全体の予算を組む上で重要です。まず、最も一般的で安心な方法は「葬儀を依頼している葬儀社に、オプションとしてお願いする」ことです。現代の多くの斎場では、プロジェクターやスクリーン、音響設備があらかじめ備え付けられています。葬儀社に「メモリアルムービーの上映をしたいのですが」と伝えれば、これらの機材の使用料を含んだ、上映に関する一連のサービスをパッケージとして提供してくれます。この場合の費用相場は、おおむね五万円から十万円程度です。この料金には、機材の使用料だけでなく、ご遺族から預かった写真や動画を元に、葬儀社側でムービーを制作してくれる「映像制作費」や、当日の「オペレーター人件費」などが含まれていることがほとんどです。写真を選ぶだけで、プロ品質のムービーを制作し、当日の上映も全て任せられるため、ご遺族の負担は最小限で済みます。もし、ムービーは自分たちで自作し、機材の使用と当日の操作のみを依頼したいという場合は、その旨を伝えれば、料金を割り引いてくれることもあります。一方で、「費用を少しでも抑えたい」という理由から、プロジェクターなどの機材をご遺族が自らレンタル業者などから借りてきて持ち込む、という方法も考えられます。しかし、この方法にはいくつかの大きなリスクと注意点が伴います。まず、斎場によっては外部からの機材の持ち込みを禁止している場合や、高額な持ち込み料がかかる場合があります。また、斎場のスクリーンの大きさや部屋の明るさに適した性能のプロジェクターを選ばなければ、映像が暗くて見えにくくなる可能性があります。さらに、当日の設置やパソコンとの接続、音響との連携などを、全てご遺族自身で行わなければなりません。葬儀という、失敗の許されない儀式の中でこうした技術的な作業を完璧にこなすのは至難の業です。特別な理由がない限りは、多少費用がかかったとしても、葬儀全体の流れを熟知しているプロである葬儀社に一括して依頼するのが、最も賢明で後悔のない選択と言えるでしょう。
葬儀プロジェクターの費用と依頼方法