親戚の葬儀に参列する際、多くの人が悩むのが「香典」の金額でしょう。香典は、故人への弔意を示すと共に、突然の出費で大変な遺族を経済的に助けるという相互扶助の意味合いも持っています。その金額に明確な決まりはありませんが、関係性や自分の年齢に応じた一般的な相場を知っておくことは、失礼のない対応をするために重要です。香典の金額を決める上で最も重要な要素は、故人との関係性の深さです。例えば、叔父・叔母といった関係であれば1万円から3万円程度が一般的です。いとこであれば5千円から1万円、祖父母の場合は1万円から5万円が相場とされていますが、これは自分が独立した世帯を持っているかどうかで変わってきます。親と同居している学生などの場合は、親が代表して香典を出すことが多いでしょう。その他の親戚の場合は、3千円から1万円程度が目安となります。また、自身の年齢も考慮すべき要素です。20代よりも30代、40代と年齢が上がるにつれて、包む金額も少し高くなるのが一般的です。金額を決める際には、「4」や「9」といった死や苦を連想させる数字は避けるのがマナーとされています。香典は、不祝儀袋に入れて渡します。表書きは、仏式の多くの宗派で使える「御霊前」や「御香典」と書くのが無難です。名前はフルネームで、薄墨の筆ペンなどを使って書くのが正式です。これは、悲しみの涙で墨が薄まったことを表すためです。お札は、新札を避けるのが礼儀とされています。「不幸を予期して準備していた」と受け取られないための配慮ですが、もし手元に新札しかない場合は、一度折り目をつけてから入れると良いでしょう。相場はあくまで目安です。無理のない範囲で、故人を悼む気持ちを形にすることが何よりも大切です。