会社の同僚や、サークルの友人など、複数人が連名で香典を出す場合、不祝儀袋の表書きはどのように書けば良いのでしょうか。誰からいただいた香典なのかを、ご遺族が一目で分かり、かつ失礼のないようにするための、連名での正しい包み方と書き方のルールを解説します。まず、連名で書くことができるのは、一般的に「三名まで」とされています。水引の下段中央に、序列(役職や年齢など)が最も高い人を一番右に書き、そこから左へと順に名前を書き連ねていきます。序列がない友人同士などの場合は、五十音順で書くのが一般的です。この時、全員の氏名をフルネームで書くと、スペースが窮屈になり、見た目も良くありません。そのため、右側の代表者のみフルネームで書き、左に続く人たちは名前のみを書く、といった配慮も良いでしょう。では、四名以上で香典を出す場合はどうすれば良いのでしょうか。この場合、不祝儀袋の表書きに、全員の名前を書くのはマナー違反です。非常にごちゃごちゃしてしまい、かえってご遺族を困惑させてしまいます。四名以上の場合は、表書きには、団体の代表者の名前を中央に書き、その左下に少し小さく「外一同(他一同)」と書き添えるのが正しい作法です。例えば、会社の部署で出す場合は、「株式会社〇〇 営業部 部長 葬儀太郎 外一同」といった形になります。サークルの友人一同で出す場合は、代表者の氏名を書かずに、「〇〇大学〇〇サークル 有志一同」のように、団体名のみを記すこともあります。そして、この「一同」に誰が含まれているのかを、ご遺族に正確に伝えるために、必ず「別紙」を用意します。奉書紙や白い便箋などに、香典を出した全員の氏名、住所、そして各自が包んだ金額を明記したリストを作成し、これを中袋に同封するのです。この別紙があることで、ご遺族は、誰からいくらいただいたのかを正確に把握でき、香典返しの手配をスムーズに進めることができます。連名で香典を包む際に最も大切なのは、ご遺族が後で整理する際の「手間」を、いかに減らしてあげられるか、という思いやりの心です。その心遣いが、連名という形を通して、より大きな弔意となって伝わるのです。