葬儀でメモリアルムービーの上映を考えている場合、その成否は「どのような斎場を選ぶか」という点に、大きく左右されます。すべての斎場が、映像上映に適した環境を備えているわけではありません。感動的な演出を台無しにしないためにも、葬儀会社と打ち合わせをする際に、プロジェクターの使用を前提とした、斎場選びのポイントをいくつか押さえておきましょう。まず、最も基本的な確認事項は「プロジェクターとスクリーンの有無」です。近年、多くの民営斎場や、比較的新しい公営斎場では、映像上映設備が常設されていることが増えてきました。このような斎場を選べば、機材の持ち込みや設置の手間が一切かからず、スムーズに上映を行うことができます。もし、常設の設備がない場合でも、葬儀社が機材を持ち込んで対応してくれることがほとんどですが、その場合は、持ち込み料がかからないか、設置スペースは十分にあるかなどを、事前に確認しておく必要があります。次に、見落としがちですが非常に重要なのが「遮光性」です。斎場内に大きな窓があったり、自然光が多く入る設計だったりすると、日中の告別式では、プロジェクターの映像が光に負けてしまい、薄くて見えにくくなってしまう可能性があります。カーテンやブラインドで、室内をきちんと暗くすることができるかどうかは、映像のクオリティを保つ上で、絶対に確認すべきポイントです。同様に、「スクリーンの設置場所と大きさ」も重要です。スクリーンが、祭壇の脇など、どの席からでも見やすい位置に設置できるか。また、参列者の人数に対して、十分な大きさのスクリーンが用意されているか。後ろの席の人からは、映像が小さすぎてほとんど見えなかった、という事態は避けたいものです。さらに、「音響設備」との連携も確認しましょう。感動的なムービーには、音楽が欠かせません。斎場のスピーカーから、クリアで、適切な音量でBGMを流すことができるか。パソコンから直接音を出すだけでは、会場全体に響き渡らせることは困難です。葬儀社の担当者に、「この斎場での、過去の上映実績はどうですか?」と尋ねてみるのも、良い判断材料になります。経験豊富な担当者であれば、各斎場の特性を熟知しており、映像上映に最適な環境を提案してくれるはずです。斎場は、ただ儀式を行うだけの場所ではありません。それは、故人との思い出を分かち合うための「舞台」です。
プロジェクター上映を成功させる斎場選び